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「たんすに隠す」【mou-kara Real Estate vol.4】

「たんすに隠す」矢波多恵六畳の四角い部屋ですほぼ全てまかなう獣ですイショクジュウ真っ先にないがしろにする生活の空き巣に入られたような脱衣崩れたら楽になれると知っている躰を着圧タイツで締めてアトラスのように鞄の底鋲は主のおもいを静かに支え隠さねばならないものを持っていて今日も着ていく服を見つくろう引き返せないところまで綻びを引っ張る少し喜んでいる頭から順に光を取り去って西日はさらに西を目指した無駄な...

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「佳作みたいな虹を着ている」【mou-kara Real Estate vol.4】

「佳作みたいな虹を着ている」那須ジョンひとの見る世界をそのまま見たいから色の名前は忘れさせてよ家を出て家に戻ってそれだけで着ているものはちゃんと汚れる唯一の才能 服を十数年かけて着続けられることしか詩だろうと生き様だろうとよくわからないものばかりを有り難がった恥ずかしいきもちを括りつけたまま貰い煙草で生きていきたいふるさとはカラリときれいになっていて踝にだけ蛞蝓はいるdéjà-vu(デジャヴュ)を脳の錯...

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「流れの遅い川」【mou-kara Real Estate vol.2】

「流れの遅い川」矢波多恵光だと思った へなへな白線の上をなぞってうちまで帰る川という結界を越えわが城は五メートルほど浮いて佇む約束を破ってしまった日の夜は空から細い針が降りだすあの人はB型だからとあきらめてくれたのならばこっちのもんだシャンプーとコンディショナーの均衡を気にしないなら他をあたって渦を巻く排水溝をじっと見る多分私は不安でいたい一分を計る尺度も違うのに同じ歩幅で歩こうとした少しずつずれ...

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「J列-21番 コーラ」

生まれてはじめて好きなひとと行ったデートは映画だった。彼は大きいサイズのポップコーンを買ってくれて、ふたりで一緒にそれを食べながら映画を観た。確か、人類が滅亡してしまった地球にひとり生き残った主人公が奮闘するハリウッド映画で、わたしはすこし泣いた気がする。静かなエンドロールが流れるなかでその余韻に浸りきって、すっかり隣に座るひとの存在を忘れていた。ぼんやりと劇場が明るくなってふと横を向いたとき、余...

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エンドロールの後の一瞬

まだ何かあるんじゃないかと期待するエンドロールの後の一瞬柔らかいティッシュは⽢い死神が君を⾒つけた⽇は晴れていた少しでも正しい⼈になりたくて⽩Tばかり増えていく夏逆光のせいにできずに聞き返す潮騒黙って、終わりたくない地下鉄が光の方に近づいてまた会いましょうと誓う うなずく新しい顔はもういい バタコさんきちんと死ねる心臓をくれ感情をあまり出さない君がする嬉しいときのへたなスキップほんとうにあたしでいい...

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